ここが変だよ!WEB小説~面白ポイントからツッコミまで~

なろう系を始めとしたWEB小説について書くブログ

新サービス紹介:『ブンサイ!』

今回紹介するのは、

文芸専門投稿・閲覧プラットフォーム「ブンサイ!」(運営元:株式会社TECHFUND)

『創作者が筆を折ることのない、文芸好きで溢れるサービスへ』がコンセプトらしく、新規事業プログラムの一環として運営とのことだ。反響次第で今後のサービス展開を決定するための試用期間らしく、以下の告知通り6/11までの試験版ということだ。

今後どうなるのかは続報待ちになる。

 

 

トップページはとてもシンプル

以下の通りだ。

引用元:https://bunsai.app/

そして、【文芸作品を作成・投稿する】を押すと以下のページに。

引用元:https://bunsai.app/post



使い方もいたってシンプル。

  1. ブンサイ!のサイト上で文章を入力すれば、画像が生成される
  2. 創作者名としてTwitterのアカウント名を記入
  3. 生成された画像を投稿する

以上。

閲覧にはLINEの公式アカウントを使用するそうで、上記で生成・投稿された画像が1日2回ほど配信される仕組みらしい。ちなみに作品は小説に限らず、エッセイや詩、短歌・俳句もオッケーとのことだ。サイト上で閲覧ではなく、運営主体でLINE配信というのは珍しい。

運営側で作品を選定しているのだろうか……投稿したとして、本当に配信されるのか?

また、文芸作品大賞なるものが開催中のため、新規サービスの波に乗りたい人は早めにチェックしておくといいかもしれない。

引用元:https://bunsai-app.studio.site/#vetechu

この他にも、いくつかのキャンペーンをしている。気になる方は、ブンサイ!のTwitterアカウントへどうぞ。(https://twitter.com/bunsai_app

 

コンテストから読み取る「カクヨム」の読者戦略

カクヨム』といえば、2023年3月期通期連結業績で過去最高の売上高・営業利益を記録したと発表していた泣く子も黙るKADOKAWA株式会社はてなが共同で開発した小説投稿サイトである。ちなみに余談だが、ゲーム事業は特にとんでもないことになっていた。ELDEN RINGの力は偉大である。

 

さて、話を戻そう。

カクヨムのコンテストといえば、恒例の高校生をターゲットにした「カクヨム甲子園」が今年も開催される。しかし、今回筆者が注目したのは少し前にさかのぼる。

 

そう、3月に開催されたカクヨム誕生祭について、だ。

(このブログを書いているのが5月のため、話題性としては遅刻も遅刻である)

今回はこちらの情報から読み解いていこうと思う。

 

1.企画ターゲットの違い

まず、今年と去年のカクヨム誕生祭を比較するだけで、既に違いがわかる。

引用元:https://kakuyomu.jp/special/entry/6th_anniversary

 

引用元:https://kakuyomu.jp/special/entry/7th_anniversary

去年はコラボ企画たっぷりの「カク側」向けのイベントだったことがわかるだろう。その一方、今年は「ヨム側」にも重きを置きに来ている。

今回から、読者についてもイベントに参加できるように仕込んできたといえる。

去年に引き続き開催されたKACこと「カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ」についても同様だ。2022年は6名にAmazonギフト券5000円分をプレゼントするとしていた「カクヨムレビュー賞」があったが、2023年は「goodレビュワー賞」と「KACレビュワー賞」に分かれ、前者は4名に5000円分、後者は20名に1000円分の図書カードがプレゼントされた。

めちゃくちゃシンプルに言えば、去年は3万円だったレビューへの報酬予算が今年は4万円に増額されているのだ。

その分だけお題採用賞が5名から4名になるなど、ちょっと一部ショボくなった気も。……気のせいである。

 

更には今年は『ヨムマラソン』と題して、

読むだけでアマギフ当たりますよという太っ腹企画があった。

普段から読んでいる人からすれば、「読める上にギフトチャンスまで!?」という、なかなか驚きの企画のプレゼントは総額70万円

しかし、これだけではない。今年は読むだけで、最大7万円分が当たるチャンス!と称して『読書量くじ』が導入されている。読んだ文字数が抽選番号になるというものだ。詳細は以下のとおり。

総額9万1000円。金の話ばかりとなって大変申し訳ないが、総額約80万円を注ぎ込んでいるのである。読むだけで。読むだけで、だ。

アマギフの大盤振る舞いすぎて、

そんなにAmazonで買い物させたいんか??

と、思わずにはいられない。

読者がいなければ作者もいなくなる。作者が少なくなれば読者がいなくなる……それは分かる。当然の循環である。もちろん、カクヨム側にもメリットはある。だが、それにしてもハッキリと読者をターゲットにしてきたな、という印象だ。

 

しかし、何も急に誕生祭で読者に媚びを売ったわけではない。

今までにも読書キャンペーン、読者応援キャンペーンといった読書を後押しするキャンペーンのほか、「カクヨムサポーターズパスポート」によるギフト送信を体験させるキャンペーンも打ち出していた。ついでに直近ではGWヨムキャンペーンも出していた。

前々から読者取り込みのために施策を講じてきたのだ、ともいえるだろう。

 

2.機能の改修

ついでに、ここ一年程度の機能情報でも確認してみよう。

 

2022/4/26 【ギフト】読了後、贈れるように変更
2022/7/5 【注目の作品】興味のある作品に出会いやすくなるように変更
2022/9/13 【小説を探す】リニューアル
2022/10/25 スマホ版「小説を探す」】情報追加、新着/完結作品からも探せるように変更
2022/11/22 スマホ版「小説を探す」】最近読んだ小説の関連作品をレコメンドするように変更
2023/1/18 【検索機能】リニューアル
2023/2/16 【検索機能】おすすめキーワードの並び順をランダムに変更
2023/3/8 【検索機能】書籍化作品を抽出・除外できるように変更
2023/3/10 【検索機能】小説の長さの指定に「大長編」(50万字以上)を追加
2023/4/14 注目の小説をメールで届ける機能を追加
2023/5/1 【検索機能】フォロー中の小説を抽出・除外できるように変更

めっちゃ検索機能を弄っとる

めちゃくちゃ読者に誘い込みをかけ寄り添おうとしている気がしてきた。

 

これだけで結論付けるのは考察として雑ではあるものの、カクヨムが読者にも自分のサイトで読むメリットを与えようとしていることは確かだ。作者への還元として作品の収益化や投げ銭自体は既にあちらこちらで採用されている上、読者がいなければ成り立たない。そして、読まれなければ作品投稿の意欲が低下するため、読者側を向く施策は確かに必要だろう。

そもそもカクヨムの運営元KADOKAWAは出版事業も抱えているため、単純に読書を行うユーザーはお得意様なのである。潜在顧客ともいえる。

 

3.読者の重要性

カクヨムが4月に発表した以下のデータも、読者の重要性を裏付けているといえるだろう。発表内容によると「カクヨムの会員登録ユーザーのうち、なんと94%が読者!」とのことだ。

kakuyomu.jp

そして、「作者の1人当たりの1ヶ月の平均読書量が約56万文字なのに対し、読者は約153万文字と、実に約2.7倍もの差がありました。」とのことである。(作者は作品を投稿したことのあるユーザーだろうが、この場合の読者は読み専でいいのだろうか……)

こちらについては、そりゃ書く時間が必要な作者と比べたら違うだろうなとは思うものの、とにかくこれで読者がいかにカクヨムにとって重要なのかは明らかだ。ユーザーを逃すわけにはいかない。本を買ってもらわないといけないわけだし。

 

ここまで眺めてきて分かることは、読まれたいのならカクヨムに行くべし、ということだろう。サイト規模が大きくなればなるほどライバルも増えるといえるわけだが、圧倒的に読者が多いのであれば狙い目でもある。そして、読むことで得したい読者もカクヨムに行くべき、ということだ。たくさんの作品が読める上にアマギフまでもらえちゃう!!というわけである。

 

ともあれ、今後もカクヨムでは読者向けの戦略が展開されると思われるため、読む場所を特に定めていない、あるいはサイト登録していないヘビー読者にはカクヨムがおすすめだといえる。

5月終了:コンテスト/キャンペーン情報

たまには役に立ちそうな情報でもまとめておこうかと思い立ち、今月で終わってしまうコンテストの情報を書き出してみることにした。小説投稿サイトをメインとしている。

noteは小説に限らないから微妙だが、せっかくなので。

 

サイト コンテスト名 開始日 終了日
NOVEL DAYS 第7回NOVEL DAYS 課題文学賞 2023/4/26 2023/5/26
NOVEL DAYS 第7回NOVEL DAYS 三題噺バトル 2023/4/26 2023/5/26
アルファポリス 第3回次世代ファンタジーカップ Twitterキャンペーン 2023/4/28 2023/5/26
カクヨム カクヨム甲子園関連 Twitterキャンペーン 2023/5/19 2023/5/26
note 好感度上昇アプリ×note#レベルアップしたいこと 2023/4/19 2023/5/28
pictMalFem 春の薔薇祭り 〜ローズフェスティバル 2023〜 2023/4/25 2023/5/28
ノベルバ 第1回ノベルバ・ショートストーリーコンテスト 2023/3/22 2023/5/31
ノベルアップ+ 短編小説コンテスト魔法のお守り 2023/4/3 2023/5/31
Pixiv 小説企画執筆応援プロジェクト~春~ 2023/4/4 2023/5/31
魔法のiらんど 春の短編小説コンテスト 2023/4/14 2023/5/31
ノベルバ ボイスノベル二次創作コンテスト 2023/4/28 2023/5/31
アルファポリス 第9回歴史・時代小説大賞 2023/5/1 2023/5/31

WEB小説:婚約破棄モノあるある

流行ってから久しく、既に一ジャンルとなっている婚約破棄モノだが、バリエーションには富んでいると思う。それこそ、婚約破棄後は婚約者の従兄弟やら騎士団長やら、何なら隣国の国王やら魔王さまやらドラゴンにいたるまで

主人公の嫁ぎ先はよりどりみどり。

とにかくいい男であれば、立場なんてどうでもいいのであろう。

女性たちの間でドリーム小説なるものが流行る理由が見え隠れするところだ。恋愛したいというよりは、愛されたいのだろう。

何もそれは悪いことではない。ハーレムモノでモテモテになりたい男子と特に変わりはない。このあたりは何の大差もないのである。

 

さて、今回はそんな婚約破棄モノについて、

 

以上の内容を書き連ねていく。

 

1.一行目で婚約破棄宣言してる

もはやお決まりパターンでテンプレ化しているため、ツッコミを入れていいものかどうかも分からない。作品冒頭、大抵5行目までに

 

「〇〇〇〇! 婚約破棄するぞ!」と言っている。

 

〇についてはフルネームであることが多い。一種の礼儀なのだろう。どんな礼儀なんだろう。

読者は婚約破棄された後から読みたいので、破棄される前についてはそれほど深堀しなくていいということか。WEB小説はそういうところがあると思う。無駄を削いだエンタメとして優秀である。

たまに「貴様との婚約を破棄する!」とか荒々しく宣言していることもあるが、破棄する側は地位のある者やその後継者であることが多いため、そんな感情的にならんでもええやんと思うと同時に

ニートラップを仕掛けて婚約相手の本性を暴こうという、主人公側が企てた罠なのでは?という気もしてくる。

主人公と浮気相手がグルだろうと思うくらい、易々と騙されてくれる存在。それが婚約破棄モノの婚約者である。

 

2.王子(婚約者)がアホすぎる

これも婚約破棄する愚か者として描くためには必要なのだろうが、「今までどうやって生きてきたのか」と心配になるくらいアホなのだ。もうちょっとまともな人間を騙す努力をしてほしい。

元々アホな王子がどこぞの嫌な女に騙された!のパターンが大変多い。

最初はまともだったのに、性悪女のせいでどんどん冷たくなって……みたいなパターンだと読者の、主に女性が辛くなってしまうのだろうか。あるいは作者が辛くなるのかもしれない。

確かにストーリー上で関係を修復する予定がない人物であるため、「あの頃は素敵で優しかった」なんて過去があるのは、スッパリと切り捨てる上で邪魔ということか。

それにしたってアホすぎて話にならない。

 

3.王子の浮気相手がアホすぎる

これも必要なのだろうが以下略。

例えば伯爵令嬢である主人公に対して、男爵令嬢である浮気相手がタメ口で話すなんて、よくある話である。それどころか、名前すら呼び捨てとくるパターンもあるのだから恐れ入る。

このあたり、非常に狡猾な女性だったパターンなども読んでみたいものだが、どうにもそういったものをランキングで見かけることがなかった。

何にしろ、あとから不正を暴かれてザマァされるだけの存在であるため、王子(婚約者)同様それほど作り込む必要性がないのかもしれないが、あまりにもバカすぎると

バカとバカが付き合って落ちぶれておしまい

でしかないので、もはや何とも思えなくなってくる。落ちぶれて然るべきバカなのだ。

ただ、大変聡明な女性で表では主人公に対しても丁重に振る舞っている──となってくれば、当て馬よりもライバルとして起用したくなることは確かだ。そういうのも読みたいが、婚約破棄モノとしてはなかなかそういったキャラの立っている相手は難しいに違いない。そういうのも読みたい。誰か教えてほしい。

 

4.婚約破棄をなぜか大勢がいる場でやる

卒業パーティーやら祝賀会やら舞踏会やら、名目は何でもいいが大抵は何らかの集まりの場で行われる。公衆の面前で貶めることが目的なのかもしれないが、だとすれば完全に悪印象を与えてしまうのがどちらなのかということを理解していない。

社交界、もしかして出たことないんか??

とすら思えてくる。

主人公を「婚約破棄された悲劇のヒロイン」とするためには必要なのかもしれないが、こぞってこのパターンでありテンプレ化しているのは、だんだん流石だなと思えてくる。婚約破棄モノを書きたい方には是非押さえておいてほしい正真正銘の王道パターンである。裏庭に呼び出してこっそり婚約破棄なんて見たことがない。

 

しかし、このパーティーの場は、舞台として大変美味しいのである。

 

まず、まさかの婚約破棄劇を見せつけられることになった傍観者、もとい参加者すべてが目撃者となる。ある意味では婚約破棄現場に関する証人である。

次に、「そうだそうだ!」とモブを加勢させるのに都合が良い。密室で急に取り巻きが入ってきても怖いからね。大抵は王子の取り巻きというよりは、浮気相手の取り巻きである。

「こんなかわいい子をいじめるなんてひどいやつだ!」みたいな展開が多い。(そして、そのイジメは大抵ウソなので、ただ踊らされているだけの可哀想なモブ取り巻きである)

仮にも伯爵令嬢や隣国の姫君などである主人公に、そのようなことを言っている取り巻きくん達の将来が心配である。社交界の経験はおろか、教育もまともではないのかもしれないが、どちらにしても親御さんが泣いてるぞ。

 

5.そもそも破棄できる婚約ではないパターンが多い

もはやここもお決まりすぎて触ってはいけないのかもしれないが、隣国の姫君を娶る話は国同士の約束である。あるいは聖女と王子の結婚など、そうするべきという伝統のもと、あるいは文化的に決定されている事柄だ。そうでなくとも、王子が自由恋愛ということはまずまず有り得ないことは大抵の世界観で想像に難くないため、親同士の取り決めによる婚約だろうことは分かる。

しかし、どうしてだか、王子(婚約者)は

 

独断で婚約破棄を突き付けるのがお決まりパターンである。

 

主人公から「それは国王陛下もご存じかしら?」と聞かれ、「そんなことはどうでもいい!」やら「父王にはあとで話をつける!」やらお粗末すぎる対応にゾクゾクしてしまう。

お前の認識が一番ホラーだ。

このあたり、もう少し凝れないものなのだろうか。婚約破棄モノを書きたいのだから、婚約は破棄することが目的だ!と言われたら、まぁ、確かにそれまでだが。

 

以上、いくつかの作品を読んだ上で、個人的に感じたことである。

上記に当てはまらない作品も勿論あるのだろうが、我こそはという人がいれば作品を紹介してほしい。

WEB小説投稿あるある②モンスター読者との戦い

「WEB小説投稿あるある①毎日投稿が当たり前」に引き続き、今回は②と題して以下の内容に触れることにする。

クレーマーにトラウマを植え付けられた経験のある作者諸君は、閲覧注意である。

 

2.モンスター読者との戦い

遭遇したことのない方からすれば、「どういうこと?」となる話だろう。

作品あるいは作者へのクレーマーから粘着まで、ここでは便宜上、モンスター読者と呼ぶことにする。概ねの分類は以下の通りである。

①こうしたらいいんじゃないですか?アドバイスモンスター

②これおかしいんじゃないですか?いちゃもんモンスター

③下手くそは書くな!けしからん!お客様モンスター

 

①こうしたらいいんじゃないですか?アドバイスモンスター

ここだけ聞くと、いやいやありがたいことだぞと思う人もいるだろう。

こうした方がいいですよとアドバイスをくれるなんて、親切な人じゃないか、と。

実際、読み手としての感想やアドバイスをもらいたい作者もいるだろう。実際、筆者もそういった依頼を受けることはある。

ここで言うアドバイスモンスターとは、

頼まれてもいない助言、もとい"ご意見"を振りかざし、あまつさえ自分の思い通りにならないと激怒する……

そんなタイプのモンスターである。

絡まれたことのある作者はブロックして逃げるか、作品を封印してしまうことになるほど追い詰められる場合もあるほどの強敵だ。

軽く濁して書くが、今まで目撃したことのあるモンスターの一部を例として挙げていく。

 

Ⓐ「ヒロイン、交代させましょう。今のサブヒロインをメインにした方が、絶対に人気が出ますよ」

 

お前の好みやんけ!!!

としか言いようがない。

この場合、無視してメインヒロインで進行していくと、粘着モンスターに進化するケースもあって厄介だ。

 

Ⓑ「どうして〇〇を追放したのですか。好きなキャラだったのに残念です。復活させてください。そんな展開だと読者が離れますよ」

 

もはや脅迫である。だが、これもⒶと同様に自分の好みで言っているに過ぎない。

どんなに理由をつけていたとしても、そんなに展開が気に入らないのであれば

お前が自分で書けばいいだろ

の一言である。

あくまで他人の作品であり、そしてその作品は趣味で書かれていることを忘れてほしくないものだ。

 

 

②これおかしいんじゃないですか?いちゃもんモンスター

Twitterなどでもたまーに話題に上がるような、〇〇警察と大差ない。ついでに警察は国家組織なので、どちらかといえば自警団であるが、防犯組織でもないのでいっそ逆に「ギャング」でいい気がする。

この世界に仏教はないですよね? じゃあ袈裟懸けって言葉はおかしくないですか?」やら「猫に小判? え、ここってファンタジー世界観で、しかも西洋が舞台ですよね?」やら「語源をご存じないんですか? 調べてから書いてください」というシンプルなものまで、細かく探していけばいくほど枚挙に暇がない。

もちろん、『~~せざるを得ない』を『~~せざる負えない』など明らかな誤用や誤字に関する指摘は該当しない。あくまで、「それはそれとして作品の世界観を楽しめばええやろ」レベルのものである。

現代日本の学園モノ漫画に、ピンクやら黄色やら赤やらオレンジやらの髪をした学生が登場することは珍しくないだろう。いわゆる漫画的表現だ。

それを小説で行っていると思えば良いのである。ファンタジーとはそういうものだ。現実が見たいのであれば、今すぐ手元の端末なり何なりを放り出して外に出た方がいい。

それでも、どうしても気になって読んでいられないという人は、

普通にその作品が向いていないので閲覧を終了した方がいい。

中には読んでいてどうしても受け入れられなかったのか、感想などで作者に対して

「主人公はどうして〇〇しなかったのですか。おかしいですよね。理由を説明してください。」

「説明になっていません。納得できません」と食い下がる読み手も存在する。

今まで何人か見てきたが、すべてに共通して

お前を納得させるために書いてないが正解だとしか思えない。

 

 

③下手くそは書くな!けしからん!お客様モンスター

金を払っているわけでもないというのに、なぜかお客様スタンスになっているモンスターである。

場合によっては「マイナス評価させろ!」とキレていることすらある。

上手い作品を読みたかったのだろうか。

なら、プロの本を読むことをおすすめする。

好みの作品を読みたかったのだろうか。

なら、文句をつけている時間を検索に費やす方が良い。

現実世界でのストレスを発散しているのだろうか。

勘弁してくれ。

 

「お客様は神様だ」とはよく聞く言葉だが、これは元々演歌歌手の三波春夫氏が言っていたもので、めちゃくちゃ簡単に言うと『お客様を神様だと思いなさい。そうしないと本当の芸なんてできませんよ』という意味である。あくまで舞台に立つ側が、お客を前にしてそのような心で挑みなさいという話なのである。

 

もしモンスターとは何事だ! 自分は読んでやっているのだ!と怒っている読者がいるのであれば、金銭の支払いがあったとしても読者と作者は同等であると言わせていただきたい。

読者が金を払い、作者は作品を提供する。これは対価の交換である。

作品が提供された時点で、金を支払った分の対価を読者は受け取っている。これがサービスだろうが売り物だろうが、そこは何も変わらないと筆者は考えている。もし、それでも尚も特別な扱いを受けたいのであれば、特別な対価を差し出すよりほかにない。

 

読み手がいなければ確かに作品は埋もれてしまう。だが、書き手がいなければ、読み手はそもそも作品に出会うことすらできない。読み手と書き手はそれぞれ共存関係にあるといって良い。いずれか一方だけが上の立場というわけではないのである。

 

また、読み手に読む・読まないの自由があるように、書き手にも書く・書かないの自由はあるのだ。

モンスターにも言葉が通じるタイプがいることを願うしかない。

WEB小説投稿あるある①毎日投稿が当たり前

今回はざっくりと、WEB小説の投稿におけるあるある(だと個人的に思っているもの)に触れていく。あくまで個人的な感想であり意見であり所感である。

 

1.毎日投稿が当たり前

さすがに当たり前だと言い切ると語弊があるのかもしれないが、

基本としては毎日投稿ありきではないだろうか。

小説投稿サイトには、日々さまざまな作品が投稿されている。

投稿サイト自体も豊富だ。小説家になろうカクヨム、ノベルアップ+、アルファポリスあたりは王道で、ステキコンテンツがステキブンゲイとは別にラノベオンリーのラノベストリートをオープンしており、韓国発のノベルピアがR18版を独立させたノベルピンクまで開いている。

投稿サイト自体も乱立状態で、複数のサイトに同時、あるいは時間差で投稿しているという作者も全く珍しくはない。

そんな中で読者を離れさせないためには、まずこまめな投稿が必要となる。続きが読みたい!と感じている読者を、何ヵ月も待たせるわけにはいかないのである。

作品あるいは作者のファンなら待ってくれるのかもしれないが、

悲しいかな大半の読者は「暇つぶし」目的だ。

 

ちょっとした隙間時間に、あるいは待ち時間に、少し触れたい読んでみたい、ついでにそれが面白いと最高だよねというものである。

いやいやそんなことはない。読むことが大好きな読み専もいるぞという主張もあるかもしれないが、その人たちとて作者が一生懸命書いているからという理由で、何ヵ月も投稿されない作品の続きをじっと待っているわけではないだろう。

 

テンプレ導入なら結末だけ知りたいライトな読み手だって想定できる。

こうなればもう、作品発表前に書き溜めてガンガン投稿して連載を繋げていくか、一気に短期間でドンと出すことになるだろう。実際に毎日執筆して投稿しているという作者もいるようだが、そういった作者ほど投稿できなくなった際に謝罪していることもあり、こちらとしては大変複雑な気持ちになることがある。

……読み手も趣味であれば書き手も趣味なのだが。

好きなときに書いて好きなときに公開すればいい。だが、そうも言ってはいられない。投稿するからには読んでほしい。読んで感想がほしい。書籍化がしたい……と、書き手の夢は尽きないのである。そのためには、ひたすら毎日投稿!となるのだろう。

 

特にTwitterを眺めていると、宣伝文句として「毎日投稿」「毎日更新」の文字が目立つように思える。そこまでしなくてもいいのに……と思う反面、確かに流れやすいWEB小説界隈では、そうやって浮上するより他に方法がないことも確かだ。

いやいや、そんなことはない特定曜日だけ投稿しているぞ!という人もいれば、全然気にしてない気ままに投稿しているよ!という人もいるだろう。そういった人は、そのまま楽しく投稿していただきたい。

ツイートから読み取る「小説家になろう」BAN考察①

小説投稿サイトの古参「小説家になろう」が以下の注意喚起を出したことによって、BAN祭りが開催されるのか?と界隈がざわついている。

blog.syosetu.com

ざっと要約すると、

 

外部で不正に評価ポイントを増加させるサービスの提供を確認したぞ。
うちでは評価を依頼することは禁止だから、「作品の宣伝やランキング入りさせてあげますよとか言って、有料で評価を請け負うサービス」は使わないでね。もしサービスの利用がわかったら、予告なしで厳しく対応するからな!(もしそういうサービスを見つけたら、運営に教えてくれると嬉しいな!)

 

という感じである。

 

ようするに、「1000円くれたら1000ポイント入れてやるよ、そしたらランキング入りできるだろ?」みたいなことを言っている奴に依頼したら、作品どころかアカウントまでBANされかねないということである。おおかた複数のアカウントを作成して評価点を入れるということだろうが、元手タダで少しの手間だけで金が稼げるのだから楽なものだろう。やりた……冗談です。

 

さて、これでBAN祭りとなるのかどうかは運営のみぞ知るところではあるが、そもそも「何をもってBANされるんだ?」という疑問からこういった騒ぎになっているのだと思われる。

 

当然ながら、運営側はわざわざ「こういう理由でBANしたぞ」とは言わない。それによるユーザー側の嘆きはTwitterでもよく流れている。そうは言っても本人には通告されているのだろう。と思ったら、割とそうでもないようだ。

運営からのメールを晒している人のツイートを確認すると、テンプレートと思わしき文面で淡々と粛々と処理されるのみ。これでは確かに「無実の罪で……」と怯える人が出るのも仕方がない。童貞運営はもうちょっとデレを覚えた方がいい。

 

ただ逆に「こんな程度でBANされた!」と言っている人たちの言い訳嘆きツイートを眺めていると、

そりゃBANされるやろ

という場合もあるが、その内容からは大体の対応基準が見えてくる。

 

以下はあくまで個人の考察である。そして、今回の話題を取り上げるにあたり既にBANという処分を受けている人に対する死体蹴りの意図はないため、BANされた旨を伝える当該ツイートや当人を晒すことはしない。個人の考察である上に情報元となるツイートの掲載もしないため、ここにない行為はやっても問題ないなどと保証するものではないことを理解の上、自己責任で閲覧をお願いしたい。

 

 

 

まず、『小説家になろう』は上で紹介した記事にある通り、「特定の作品に対し評価の入力を依頼し、ランキングや評価システムの信用を毀損する恐れのある行為を禁止しております。」と言っている。

単純に「ランキングや評価システムの信用を落とさないでくれ」と言っているのだ。

つまり、本来は多くの読者によって評価されることでランキング入りを果たすことが正であり、特定の作品に対して「同一人物が大量に評価点を入れること」「複数の人物が正当な理由なく評価点を入れること」は誤りであるということだろう。

クラスター票はいいのか!?と憤る人もいるかもしれないが、「正当な理由」があれば評価しても問題ないことは読み取れる。では、正当な理由とは何か。運営側が今回警告を出している内容の逆、「対価を得た、または得るための評価ではないこと」だろう。

つまり、読んだうえで評価するなら問題ない。

というか、それが普通の利用方法である。わざわざ遠回りをする必要はない。シンプルな話である。不正すんなって言ってんだよということだ。

 

では、それを念頭に置いて、確認していこうと思う。

 

複数のアカウント所持・不正な評価点の追加

BAN報告をしていたツイートの主な主張内容をざっと並べてみよう。

  1. スマートフォンや携帯電話を家族と共有していたらBANされた
  2. 家族と同じPCを使っていたらBANされた
  3. 友達の家でPCを借りてログインしたらBANされた
  4. 職場/学校のPCを使っていたらBANされた
  5. 職場/学校のWi-Fiを使っていたらBANされた
  6. 店のWi-Fiを使っていたらBANされた
  7. 友達の家のWi-Fiを使ってログインしたらBANされた
  8. たまたま自分の作品を家族が評価・ブックマークをしたことでBANされた
  9. 何もしていないのに急にBANされた

まず「9」については個人的には全く信用できないと言える。何もしていないのにPCが壊れたと言っている人と同じようなものである。何かはしている。何をしたのかが分からないだけだろう。運営が悪意を持ってBANしたのだ! これは嫌がらせだ!!という主張もあるだろうが、法人化している運営がそのようなことはしないだろう。運営側が善人であるという意味ではない。

広告掲載で収入を得ている以上、ひとりでも多くの利用者を確保した方が儲かるからである。

つまり、悪意を持ってBANするメリットが運営側にはない。

 

まずは「1.スマートフォンや携帯電話を家族と共有していたらBANされた」

そもそも共有するのか?という疑問はある。例えば、子どもが親のスマホを使って遊ぶ、なんてことはよくある話だ。昨今、小学生でスマホを所持しているなどスマホデビューの低年齢化が進んでいるとはいえ、特に未就学児の場合は親の端末を借りることもあるだろう。

では、未就学児が自らアカウントを取得した上で日々利用しているのかといえば、それは考えにくい。メールアドレスを確保し、自らアカウントの登録を行い、毎回ログアウトとログインを繰り返して利用している──というのは、さすがに非現実的である。「うちの家庭ではそのように指導しています」というのであれば特に何も言うことはないが。

 

さて、ここで問題なのが「家族で端末を共有すること」がランキングや評価システムの信用を毀損する恐れのある行為に該当するのかどうかである。

普通に考えれば、該当しないのである。

ただし、本当に「スマートフォンや携帯電話の端末を共有しているだけ」であれば、だ。

引用元:https://syosetu.com/site/rule/

そもそも規約では「同一端末からたくさんのアカウントを作らないでね」とは言っていない。「ひとりでたくさんアカウント作らないでね」「たくさんの人でひとつのアカウントを使わないでね」と言っているのである。

そのことからも運営側で「これは同一人物がいくつかのアカウントを使って活動しているな」と判断できる材料があり、その上で特定の作品に評価点を入れたことがBAN理由になったのだろうと、おおよそ推測できる。

あくまで仮説だが、これが正しいとすれば「2.家族と同じPCを使っていたらBANされた」「3.友達の家でPCを借りてログインしたらBANされた」も同様の理由だろう。

さて、これで挙げていた理由のうち4つが消えた。意外と早かったので、正直驚きである。

  1. スマートフォンや携帯電話を家族と共有していたらBANされた
  2. 家族と同じPCを使っていたらBANされた
  3. 友達の家でPCを借りてログインしたらBANされた
  4. 職場/学校のPCを使っていたらBANされた
  5. 職場/学校のWi-Fiを使っていたらBANされた
  6. 店のWi-Fiを使っていたらBANされた
  7. 友達の家のWi-Fiを使ってログインしたらBANされた
  8. たまたま自分の作品を家族が評価・ブックマークをしたことでBANされた
  9. 何もしていないのに急にBANされた

 

次に、少し毛色が異なる「4.職場/学校のPCを使っていたらBANされた」を見てみよう。

こちらはつまり、職場や学校において複数人が利用することが前提となっているPCからログインしてアカウントを利用し、「急にBANされた! 他の人がPC使って別のアカウントにログインしただけだ! 自分のアカウントはひとつだ!」という主張であった。

有り得ないことではない。専用のPCがない職場や学校もあるだろう。

しかし、そんなことは運営側でも想定できる範囲である。

いくらスケベに厳しい童貞運営とはいえ、普通に考えれば分かることを想定していないわけがないだろう。(仮にも会社としてサービスを提供しているのだから流石に想定していてほしい)

結論としては、上記1~3と同じく「これは同一人物がいくつかのアカウントを使って活動しているな」と判断したものとして仮説できる。では、どうしてそう判断したのか、だ。

 

実は筆者、かつてPBC──いわゆる「なりきりチャット」のサイト運営にかかわっていたことがある。急に何の話を始めたのかと思うだろうが、少しだけ付き合っていただきたい。

そのサイトではユーザー登録を行い、更にはチャットで使うキャラクターを登録した上で利用することになっており、「1人が登録できるキャラクターは3人まで」という制約をつけていた。が、どうしても3人では足りないという人がこっそり4人目以降を登録することがあった。ユーザーAとしてキャラクター3人、ユーザーBとしてキャラクター3人という具合である。

これはもう立派なルール違反だが、このユーザーAとBが同一人物であると判断できない限りは「やめてください」とは言えないのである。しかし、大抵はバレる。何でバレるかといえば、

 

メールアドレスの文字列がめっちゃ似てる(aiaisa20230505@~ と aiaisasa20230505@~ のような感じで大体はフリーメアドである)

パスワードが同じ文字列、または酷似(たまにメールアドレスの文字列と一致しちゃうこともある)(パスワード忘れを防止するために使い回しているのだろう)

文章の癖が全く同じ(詳しくは言えないが、特有の言い回しや特徴的な誤記や誤変換等が一致するともうほぼクロである)

習慣化している動きが完全に一致している(ざっくり言うとサイト内にあるコンテンツページを、いつも同じ順番で辿るなどである)

 

などでバレバレなのだ。もちろん、それらを確認した上でIPアドレスやらユーザーエージェントやらアクセス履歴などを調べるわけだが、例えば毎日毎日同一の時間帯に同一端末から同一パスワードで異なるアカウントA・Bにログインしている場合「別人です」と判断する方が難しいのである。

さて、話を戻そう。

以上の経験から、恐らくそういったところで運営も判断しているのだろうと筆者は感じている。

ざっくりまとめると、不特定多数が利用することが前提となっている端末やWi-Fiの利用のみでは同一人物であるとは判断できない=不正なアカウントの所持とは見なされないと考えられる。

これはあくまで考察であり仮説であるが、こうなると「5.職場/学校のWi-Fiを使っていたらBANされた」「6.店のWi-Fiを使っていたらBANされた」「7.友達の家のWi-Fiを使ってログインしたらBANされた」についても、同様の理由で

お前、ひとりでいくつかアカウント使ってるな? または、正当な理由なく評価点を入れたな?と判断される何かがあったのだろうと思われる。

 

そうなってくると、最後「8.たまたま自分の作品を家族が評価・ブックマークをしたことでBANされた」という、運営側の誤解によって処分を受けてしまうという悲しい出来事が起こる可能性は残る。たまたまなのだから、ランキングや評価システムの信用を毀損する恐れのある行為に該当しようもない。だって、たまたまなのだ。家族であろうが友人であろうが、読者は読者。「読んだ作品を気に入って評価点を入れる……」当然の利用方法である。これが正当でなければ、何が正しいのか分からないほど真っ当な利用の仕方だろう。

これは本当に全く有り得ないとはいえない。

たとえば1台の自宅PCからサイトを利用している夫婦がいたとして、入籍日が8月8日だとしよう。フリーのメールアドレスを夫「kinennbi0808@~」、妻「kinennbi_0808@~」で取得していてもおかしくはない。だって結婚記念日だもん。二人の記念日だもん。といった具合である。そして、二人とも同じ趣味を持っていて、同じようにサイトを利用しているとしてもおかしくはない。

そう、おかしくはない。どんなに利用時間帯が一致していても、同じ生活リズムであれば不自然ではない。

 

では逆に考えてみよう。

この夫婦、何があればランキングや評価システムの信用を毀損する恐れのある行為に該当するか、または同一人物が2つのアカウントを使っていると感じるか。

筆者なら経験則からこう考える。

  • 2つのアカウントの両方が、全く同じ作品しかブックマークしていない場合
  • 全く同じ作品にしか評価点を入れていない場合
  • 全く同じページにしかアクセスしていない場合
  • 互いの作品にのみ評価点を入れている場合
  • 検索する文言やその傾向、趣味、好みが全く同一である場合
  • 名前や生年月日などの登録情報やパスワードが完全に一致している場合

夫婦だろうが親子だろうが友達だろうが兄弟だろうが恋人だろうが、前世から結ばれている運命の人であろうが、読む作品も評価する作品も検索する文言も同じで好むジャンルも同じなんてことはまず現実的ではない。

 

一致していてもおかしくない部分を見るのではなく、一致していると不自然であるところを見ると考えれば良いはずだ。

 

人間のやっていることである以上、いくら運営側の裁きであったとしても未だかつて誤BANが全くなかったとはいえないが(そもそも誤BANで復活したことのあるユーザーが存在する)、BANされた側のツイートからおおよそ推測することはできた。

 

そのうち、作品BANについてもツイートから読み取って考察してみようと思う。そのうち。そのうちね。