ここが変だよ!WEB小説~面白ポイントからツッコミまで~

なろう系を始めとしたWEB小説について書くブログ

男性向けハーレム小説について

ここでいう男性向けハーレムモノとは、男性が主人公のモノである。

よくある流れだと

パーティの女子全員が俺のこと好きになってるぜ!とか

奴隷の女の子たちを解放したら、全員に惚れられちゃった!とか

助けた女の子がみんな僕に惚れちゃうんだよな!とか

そういったところである。

 

たくさんの可愛い女の子に囲まれるのも、多種多様な女の子に傅かれることも、

綺麗めから可愛い、はたまた熟女や人妻、未亡人に至るまで、とにかく幅広くハーレムしたい!

というのは男性諸君にとって非現実ながら夢のある内容だろう。

ハーレムモノ自体は特に悪くない。

ファンタジーである以上、他の創作物同様好きに書けばいい。

 

その上で個人的に気になる点を4つほど書き連ねていく。あくまで個人的に、である。

 

 

 

1.女の子の描写が胸のサイズオンリー

そもそもWEB小説では外見の描写は極端に少ない。

そんなものを描写するよりも、イラスト一枚張った方が読者もつく上に分かりやすいのである。

どんな髪色か、どんな瞳の色か、愛らしい顔立ちなのか綺麗めなのか……そんなことは描写されない。

おっぱいが大きいか小さいか、それが問題なのである。

イラストにしたとしても一番分かりやすい特徴な上、好みも分かれやすいところだから仕方がないとはいえ、あまり続くとおなかいっぱいになる。

中には「服の上から分かるかよ」と思うが乳輪のサイズやら色まで言及している場合もある。

貧乳巨乳なんて次元ではない。初対面の時点で感度が良さそうとまで言ってしまう場合もあった。

そこまでいくと、もはや性癖デパートのようで、いっそ脱帽だ。

同じ作者の別作品でも似たような描写が散見されるパターンが多いため、まぁ、そういったお好みなのだろう。

 

2.女の子を挿げ替えただけの同一シチュエーションが多い

本当に多い。何なら、名前だけ置換したのか?というくらい、地の文はほぼ同じというパターンすらある。ギャルゲー的なノリなのだろうか。

 

例えば、

・お風呂に入る主人公

・乱入した女の子が胸で背中を流す

・当然ムラムラしちゃう主人公

・流れるようなえっち展開

みたいな流れがあるとしよう。

上記は一例だが、実際ハーレムモノで入浴シチュは大変多い。

この場合、胸のサイズで会話内容が多少変わる程度で大抵の場合はやっていることは何も変わらないのである。

そう、何も変わらないのである。

それが正ヒロインだろうがサブヒロインだろうが、同じ作品の中の違う話だというのに「さっきも読んだな?」と既視感を覚えるほど同じ場合が多い。

 

この作品にはそういうパターンが多いのだな、という話ではない。

ハーレムモノでちょっとえっちな展開が入っているものに共通して多い。

 

「いや、俺の作品にはそんな同一シチュはないぞ!」という作者もいるだろう。

もちろん、そうかもしれない。ただ、ランキングから順々に眺めていくと、そういうパターンの作品が大変多かったということだけである。

登場人物だけを変えて同じシチュを楽しむのは、やはりゲーム的な要素が強いのだろうか。

「この子のこんなシーンも見たいな」という欲か、はたまた「この子だけお風呂シーンがあるのはよくないな」という、ハーレム紳士として全ての女の子を平等に扱いたいという意識の表れなのかもしれない。

そうなると、なかなか意識が高い紳士なのではないだろうか。

 

3.女の子が自分を大事にしない

これもまぁ諸兄の都合上やむなしとは思うが、

「私を使って気持ち良くなってください」とか言い出した時には、ハーレム耐性のない筆者のような人間は「この世界の女の子はモノなのか???」という気持ちになる。

そういう世界観もアリといえばアリだろう。

どこの国とは言わないが、古今東西、女子は男子の所有物であるという文化がないわけではない。生まれては父に従い嫁いでは夫に従い老いては息子に従えというものである。

現代日本においても、この意識が全くないというわけではないだろう。

夫に対して主人や旦那という名称を使うことを良しとしないフェミニストな皆様方もいるが、そうではない方もいるというわけだ。

話が逸れた。

 

ともあれ、ここで気になるのは「女の子側の意識について」である。

女の子が奴隷で、主人公に買われたとしよう。

1.自分の身体で恩を返しますパターン

2.自分はあなたのものですからパターン

大抵はこのどちらかになるかと思うが、どちらにしても女の子は「奴隷」=「モノ」である。それならば、もう納得いく。納得するしかない。そういう世界観だ。あるいは、そういう上下関係、階級なのだと。

しかし、しかし。

ここで主人公が「奴隷を解放する!」と掲げている場合は話が変わってくる。

 

解放してやれよ

 

という気持ちである。

 

都合よく奴隷を解放すると言い切り、あるいは買いまくり、だというのに女の子しか手元には置かず、あるいは極端に男女比率が異なる場合もあり、その上で女の子が自らのカラダを「モノ」として差し出そうとすることを諫めもせず、これ幸いとばかりに食いつくのである。

 

わかる。可愛い女の子が豊満な胸をさらけ出して求めてきたら……それを突き放すなんて男のすることではない。据え膳である。皿まで喰らいたい。

だが、奴隷を解放すると言ったな?

じゃあ、ハーレムと奴隷解放を両立してくれ

読み手としてはそう思う。

ストーリー上の根幹を揺るがさないでくれないか。

 

もちろん、ヒロインが奴隷ではないパターンもある。

しかし、どうしてだか「私の身体で気持ち良くなって!」「私を使って!」という展開は、なかなかに多い。君たちもっと自分を大切にした方がいいよ。あと主人公は下半身に従いすぎる……が。全年齢だろうが成人指定だろうが、まぁ、そのあたりは少年漫画ですらよくあるので、この際どうだっていい。

読み手としてこちらが勝手に違和感を覚え、若干のぞわぞわ感を抱えているだけである。

ハーレム趣味の諸兄には今更の話かもしれないが、耐性がないとビックリするラインであることは確かだ。

 

4.連載が進むにつれてスキンシップが過激になりがち

最初はちょっとした事故で胸タッチ♡程度でドキドキしていた主人公も回を追うごとに、あるいはヒロインたちの種類が増えるごとに、もしくは経験を重ねて、その程度では満足しなくなる。

読者も然り。

もはや、ちょっとしたタッチくらいでは満足できなくなるのである。

主人公だけではない。ハーレム展開に慣れてきた作者も、そして読者も満足できない。

太腿を撫でる程度は序の口だ。お尻を揉むくらいであれば許されるのだろうが、さすがにえちえちな本番行為となれば、童貞運営と揶揄されるレイティングの厳しさで有名な「なろう」こと「小説家になろう」運営あたりは激おこだろう。

(胸はともかく、性器への接触については、どこの投稿サイトでも激おこ案件だと思われる)

 

さて、過激になったスキンシップの行きつく先だが、大抵は満を持して完全エロな展開になるか、朝チュンで直接描写は回避、あるいは単に性的な関係を匂わせるという流れでFOパターンが大体である。もしくは、エッチシーンはこちらにどうぞ形式になる。

ただ、そうではない展開がいささか問題である。

 

性感帯を撫でる行為が全年齢OKなのはなんでや問題だ。

 

翼や尻尾、獣耳あたりは序の口。

天使の輪や舌に至るまで、もうどこ触っても感じる子なんじゃないの??と心配になるレベルで、主人公の手によってあらゆる手段を用いて、感度抜群に喘がされる女の子たち。

もう完全にアンアン言ってる場合すらあるのだが、これ全年齢なのか?と思わないでもない。

「スキンシップが過激になりがち」は、かなりソフトな言い方をしたが、ハーレムモノあるあるではないだろうか。

 

今回はザッといくつかの作品を読んだ上で、個人的に感じたものである。

また、特定期間に掲載された作品のみではなく、年単位で読んでいるため「自分のものか?」と不安にならないでほしい。もしも当てはまったなら、それは大変流行っている傾向か、テンプレと化した展開だろう。

また気になった点については、別記事でもまとめることにする。