ここが変だよ!WEB小説~面白ポイントからツッコミまで~

なろう系を始めとしたWEB小説について書くブログ

「なろう系」がWEB小説を衰退させたのか?~漫画版から見る人気の偏り~

前回の記事から一年が経過した。

X(Twitter)のアカウントが凍結されたことを皮切りにやる気が消失していた。

2025年2月すら半ばを過ぎたことに愕然としつつ

そろそろ新しい記事を書く気分になった。が、では何を書こうか。それが決まらない。まずは決めなければ。

というわけで、はてさて、このブログでは何が読まれているのかを確認してみることにした。

まずは画像でドン!

ドン!

ドドン!

圧倒的にこの記事なのである。

yoshi-kei9090.hateblo.jp

なるほど。というわけで、今後もブログの方針は大きく変えずに進もうと思う。

WEB小説界隈は、特に小説家になろうの衰退、女性向け化、なろう系の台頭によるマンガ・アニメ界の盛衰など、さまざまな話題が出ている。小説家になろうが「日本最大級」を謳っていることは確かであり、またWEB小説といえば!という存在であったことも事実。

だとして、小説投稿サイトは既に民間から企業まであまた存在しており、現状の「小説家になろう」にどこまで影響力があるのかは謎である。

今回は、「小説家になろう」発祥(と思われる)作品がどうなっているのかについて触れていこう。

1.そもそも「なろう小説」は、まだ人気なのか

「なろう系」とは、そもそも小説家になろうから発生した小説の傾向を示すものだと思うが、「今やカクヨム発のなろう系小説」など1ジャンルとなっている認識は、それほど間違いではないだろう。

また、「チーレム」「悪役令嬢」「ナーロッパ」などなど関連する言葉には、侮蔑も含めてさまざまあるといえる。

そんないわゆる、なろう系を含む「なろう小説」の人気はいかほどのものか。今回は、漫画化された作品から探ってみよう。

まずはこちら。

出典:ピッコマ|総合最新ランキング(2025/02/21 1:30)

 

これは、2016年4月に開始したカカオジャパンのサービス「ピッコマ」のランキングである。

1位は「オタクに優しいギャル」というネットミームがタイトルにバリバリに入っている作品で、青年漫画雑誌『月刊コミックゼノン』発のため、非なろうとしよう。

2位はタイトルからもしかして?と思ったが、なろうでもムーンライトでも検索には上がらない。原作者のXを確認したところ、原作を書いたとの記載から小説からの発生ではなさそうだと判断した。よって非なろうである。

3位の「99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!? ~真の力に目覚めて始まる100回目の人生~」はループ×令嬢モノの作品で、なろうに掲載されていることが確認できた。(全14話で完結済なので原作読みのハードルも低い)

そして4位の「異世界チートサバイバル飯異世界そしてチートとくれば、もうなろう小説だろうと決めてかかったら確かにあった。確認が簡単でとてもありがたい。(こちらも完結済だが、100話超えだった)

5位はヤングジャンプ掲載、7位はTwitter連載から火が付いた作品、9位は異世界モノだがComicWalker掲載作品である。

はてさて、これは期待できそうだと確認してみたら、お見事。

6位「ほのぼの異世界転生デイズ

8位「月が導く異世界道中」(アルファポリス移転済)

10位「後悔するならご勝手に~あなたの選んだ聖女様とどうぞお幸せに~

実にトップ10のうち、半数がなろう小説から誕生しているのである。

確かに強い。人気が出ている。と、見えてもおかしくはない。(なお証拠確保のために作品へリンクしているが、離脱せずに記事を読んでほしい)

だが、1サイトだけでは偏りが出るだろう。というわけで、もうひとつ。

 

出典:【2025年01月】月間 漫画ランキング|漫画多すぎ!無料も多すぎ!業界最大級のコミックシーモア(2025/02/21 2:00)

 

これは、2004年8月からNTTソルマーレ株式会社が提供しているサービス「コミックシーモア」のランキングである。

はてさて、ぱっと見た感じで予想はついているかもしれないが、何事もきちんと確認は必要である。というわけで見ていこう。

1位「ベル・プペーのスパダリ婚約~「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」は現役バリバリである。

2位「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中! 」もなろうに掲載されている。

3位「元婚約者から逃げるため吸血伯爵に恋人のフリをお願いしたら、なぜか溺愛モードになりました」も、期待を裏切ることなく掲載されていた。

4位「俺だけレベルアップな件」はいかにもなタイトルだが、発祥は韓国のWEBサイトであった。惜しい。

5位「聖女の魔力は万能です」も堂々としたものである。

6位「うちの夫、やばくないですか? 」はレディコミにありそうな不動の話題だろう。

7位「拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます」もなろうにありそうな気配だったが、どうやらカクヨム掲載作品らしい。

8位「メダリスト」は『月刊アフタヌーン』掲載作品、10位「融点」は日本設定に置き換えているらしいがロマンス小説を原作とした韓国発の漫画である。

間に挟まれた9位「無自覚な天才少女は気付かない」もなろうに掲載されていた。

非なろうだったのは、5作品。つまり……ピッコマに引き続きトップ10のうち、半数はなろう小説から誕生している。

ピッコマと全く同じ結果になってしまったが、それよりもトップ10で少年マンガ1作品・青年マンガ1作品しかないことにも注目したい。

女性向けが強いのか、男性向けが衰退しているのか。読み手が女性向けを好むようになってきたのか、読み手に女性が多いのか……ともあれ、そう。小説家になろう」が女性向けになっているのでは?と同じ現象が起きつつある気配を感じるのである。

結論から言うと、「なろう作品」は漫画になっても人気だ、ということがいえる。強い。

 

2.「なろう系」がWEB小説を衰退させたのか?

結論から言うと、何をもって衰退とするのかについて議論が必要である。

が、そんなことを言っても仕方がないため、ここでは「なろう系のせいでつまらなくなった」という論調について取り上げてみよう。

 

正直なところ消費者側の意見として「飽きた」ということは十分にあり得る。

だが、それは逆に言うと「摂取し続けたから」ともいえる。つまり、今時点で飽きてしまっている消費者は流行り始めたときにたっぷりと読み尽くしてしまったのだ。

いやいや、そんなことはない。昔はもっと面白かったのだ。という人もいるかもしれない。

面白くなくなったことを「なろう系」のせいだというのなら、こう言い換えられるのではないか。「多様性が失われてしまった」と。

もっといろんな展開が読みたいのに、同じ展開ばかりだ!

チートにハーレム、最強、追放、溺愛、婚約破棄……どれも似たり寄ったりじゃないか!!

テンプレ展開ばかりでつまらない!!!

ということが多様性の喪失であり、ひいてはWEB小説界隈の衰退である、とするのなら、一旦ちょっとストップしてほしい。

シンプルに考えてみよう。

「そもそも昔からテンプレはあったよね?」という話である。

勧善懲悪、最後は必ずヒーローに倒される悪役。さらわれてしまったヒロインを助け出すヒーロー、地球のピンチのために立ち上がる男達……枚挙に暇がないため、ハリウッド映画でも思い浮かべてほしい。大筋は同じである。

消費者だって、いわゆるお約束展開を期待している。シルベスター・スタローンには筋肉バキバキで勝ち抜いてほしいし、エディ・マーフィには明るくてうるさくしていてほしいし、みたいなものである。

ヒーローがいてヒロインがいて、悪役がいる。ヒロインがたくさんいたらハーレムだ、悪役側を描いたらスピンオフだ、となるだけで、別に誰が主役だろうが問題にならない。

スタートとゴールが同じであっても、途中経過が違ったら別のストーリーになる。ならば、ここもやはり問題ない。最後はすっきり終わりたい。ハッピーエンドで締めたい。そうやって作品を選ぶことだってあるだろう。

では、「なろう系」や「なろうテンプレ」がウザがられる理由はどこにあるのか。

 

ランキングに溢れるから

 

シンプルにこれではないだろうか。特定の要素・展開・話題・構成……それらが面白くないやらつまらないやら飽きたやら、そんな話ではない。ランキングに溢れかえって、似た要素を延々と見せつけられてしまうから「どれもこれも同じ」に見えて「多様性がなくなった」と感じ、「つまらない」と着地してしまうのではないだろうか。

 

今やお決まりの「ざまぁ系」も最初はスカッとしたのではないか。

だが、ひとつ有名な作品やヒット作品が生まれると、こぞってそれを真似したり模倣したりする作品が現れることも事実。そうなってくると、ランキングはそれら一辺倒に染まってしまう。

それも、例えば「異世界転移」だけを真似たのであればまだしも、おむすびころりんやらアリスのように穴に落ちて異世界に転移しても良いのに、ヒット作品と同じくトラックに轢かれたくなってしまうのである。トラックの運ちゃんが可哀想だろう。

大筋が同じなだけなら、展開次第でどうとでもなる。が、展開すら同じ作品がズラッと並んでしまったら、そら飽きるよなとは思う。

 

これは「なろう系」やテンプレ展開が悪いというよりも、見せられ方の問題ではないだろうか。

 

3.小説投稿サイト「ランキング」の問題点とは?

ヒット作品に引き寄せられた読者が似たような作品を評価するのだから、ランキングがヒット作品と類似した、あるいは一致する要素や傾向を持つ作品一色に染まってしまうこと自体は仕方がないかもしれない。ただ問題なのは、「流行りや流行った作品・ジャンル」ではないものとの出会い方がないことにある。

この世にはスコッパーなる人々もいるが、「掘り出さないと見つからない」時点でランキングが作品探しの役に立っていないとすら言える。特に特定のジャンル・展開の作品に染まってしまったら、もう手の施しようもないだろう。

それなら検索すればいい?

もちろん、そのための機能はある。ごもっともだろう。

だが、ヒット作品の模倣は随所に至る。キーワードしかり、あらすじしかり、タイトルしかり。もう逃げ場などないのである。こうなってくると、「うちの作品はよそとは一味違うよ!」という作品でさえもどんどん埋もれてしまうのだ。

ここで少し難しいところだと思うのが、例えば「異世界転移」とひとくくりにされても、実は多様な作品があることが明確であったとしても、探し出すことが難しい点にある。

読む作品を掘ることを趣味としているのであればまだしも、読みたい作品をさくっと探して読みたい人にとっては、ランキングが頼りなのに機能していないのである。

 

こうなったら 無作為オススメ作品 でも並べてくれた方がよほど有益かもしれない。

 

 

今回はリハビリがてらの記事のため、ここまで。

漫画のランキングでも女性向けに塗り替わりつつあることが判明したため、「そもそもWEB小説界隈は女性向けでは?」あたりを調べてみるのも良いかもしれない。