前回、「小説家になろう」について個人サイトの印象が強いという言い方をしたことで、ふと思った。個人サイトが衰退したと言われた理由としては、総合的に使える投稿サイト──プラットフォームとなるサイトが出てきたことだとされている。
では、今の個人サイト界隈は生きているのか。
かつては、一次創作から二次創作、夢からコスプレとさまざまな趣味のサイトが、サーチエンジンや相互リンクなどで繋がり合っていた。
しかし、個人サイトの作成にはある程度のHTML知識が必要だった。レンタルの掲示板や問い合わせフォームなどもあったが、それらも設置するためにはHTMLタグの知識がなければ自由度は低い。
例えるなら、個展のようにあちらこちらで個性的な創作物を展示していた個人サイトは、大規模展示会場の人気に押されて数を減らしていったのだ。大型ショッピングモールの登場により、商店街がシャッターまみれになる現象に似ている。
簡単にサイトを構築できた『魔法のiらんど』も2020年4月に小説投稿に特化したサービスとして生まれ変わり、また多くの個人サイトが運営されていた『Yahoo!ジオシティーズ』も2019年3月にサービスを終了してしまったり……。
今からかつての個人サイトを思い出して戻ろうとしても、もう古巣に戻ることすらできないのだ。何なら懐かしいサイトを見ようとしたら、『サービス終了したよ』という悲しい文言に出迎えられて終わる場合すらある。個人的には『閉鎖しました』よりも物悲しさがある。
さて、そんなこんなで思い立ったので、個人サイトを繋ぐサーチエンジンやリンク集など、もはや古の懐かしさを感じる文化が残っているのか、新しいサービスとして誕生しているのかと軽く調べたところ
見つけたのである。
それが『創作サイト総合サーチ Lony』である。Twitterアカウントも見つけたため勝手に少し安心した。
引用元:https://twitter.com/lony_jp
サイトの作りはシンプルで、あちらこちらを確認しなければ使えない、なんてことは一切ない。見たいところにすぐ行ける。知りたいことはすぐ知れる。
中の人はかつて個人サイトを運営していた人ではなかろうか。そんな片鱗がちらりと窺えた。
記載の通り、一次創作・二次創作、絵・小説・ゲームと何でもござれの受け入れ体制万端サイトである。
しかし、しかしだ。
サーチがあったとしても、個人サイトを作成できなければ意味がない。HTMLやらCSSやらCGIやらの知識があるというのであればいざ知らず。そういった知識を持ち合わせていない人は、いや、そもそもサーバーを用意できない人は、はてさてどうすればいいのか──と思ったら、これもあった。驚きである。
引用元:https://twitter.com/gt_gt_do
めちゃくちゃ親切。すっげー親切。
テンプレートを配布しているサイトは数多いが、大抵は「問い合わせされても対応できません……」なのである。ところがこちらは、「サイトの作り方を解説」と言っている。すごいケアである。
個人サイトを作りたい……でも、作り方が分からない……何をすればいいのか、何から手をつければいいのか分からない……そんな人は、是非一度こちらを確認してはどうだろうか。